忍姫は淫欲之水を浴び ――湯ノ里に咲く花は―― #4 お気に入り画像登録
忍姫は淫欲之水を浴び ――湯ノ里に咲く花は―― #4

登録 タグ *小説 *挿絵 *巨乳 *美少女 *逆ハーレム *乙女 *TL * *和風 *和服
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投稿日時
2018-11-27 01:32:02

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ぺとろ千歌

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 夜叉姫が目を覚ますと、両手を革の拘束具で縛られていた。
 奢侈な胡様式の敷物から起き上がり、焦点の合わない瞳で見回す。壁は剥き出しの岩肌で床には酒瓶が転がっており、まるでガンジャ窟のような趣である。

 全身黒い装束の男が、油艶のある黒髪を揺らせてやって来る。

「ようこそ……湯ノ里のお姫様」
「どうして……それを」




 手灯で漸く照らされたのは男というより、夜叉姫にほど近い歳の少年であった。袖の無い長着の衿を大きく開け、破落戸や傾き者のような鎖帷子を見せている。特徴的な流線の入れ墨がある目元は涼やかで、昏黒へと続く深淵が覗く。
 少年は濡れた黒檀色の髪を鮮やかに散らし、夜叉姫の顔がよく見えるように顎を持ち上げた。次に尖ったつけ爪の人差し指と親指で乳房を抓むと、服の上から柔らかい感覚に突き立てる。

「あうぅっ!」
「いい肌理だ……美味そうだな」
 夜叉姫は身を引き、構える。
「フッ、怯えるな。生憎、食人の嗜好は無い」
「――貴方は?」
「……お前を娶る者だ」
 兇険さの漂う淫靡な漏声に、空気が薙いだ。

挿絵イラストは桃川コバト様の作品です(許可を得て掲載しております。)
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