投稿日時 2018-11-27 00:58:35 投稿者 ぺとろ千歌 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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十 赤い月の夜 気を失った夜叉姫が静寂の向こうから目覚めると、竹で出来た涼み台の上であった。身体から泡は無くなっていたので夢だったのかとも思うが、未だ気怠い余韻が残っている。 夜叉姫が全裸の半身を起こして夢うつつの中にいる頭で見回すと、少年がやって来る。少年は冷えた水を手に掬ってきて、夜叉姫に飲ませた。うまく飲み込んだものの夜叉姫の意識は未だここになく、茫と幽玄の中を漂っている。 (この人は……一体……) 少年は顔の赤い夜叉姫の額に手を当てると、自分のものと比べたりしている。 少年は夜叉姫の胸と臍下に手を当て、小さく呼吸した。手を当てられた部分が熱くなってきて、急に夜叉姫は現実に戻される。 蒼白色の瞳が小さく微笑んだ後そのまま行ってしまおうとするので、夜叉姫は呼び止めた。 「ま、待って……あなた、一体誰なの?」 少年は振り返ったが、言葉が発せられる事はない。 夜叉姫は涼み台から立ち上がり、少年の腕を取って詰め寄る。 「答えて……」 すると、少年は掴んだ夜叉姫の手を裏返し、文字を書き始めた。 「は・る・み・ち……春満?」 少年は頷く。 『き・ょ・う・か・ら・あ・な・た・の・湯・係・で・す』 「湯係? あなたが……」 再び少年は頷いた。春満と名乗った少年は、夜叉姫の首筋についた接吻痕に注視している。 「湯係って……あっ」 春満は夜叉姫の項を手の甲で滑らせると、手妻のような早さで石鹸の泡をふっと吹きかけた。 「やっ……何か……くすぐったい…………」 春満が泡を流すと、接吻痕は消えていた。春満は夜叉姫の姿を鏡に映してそれを見せる。 「痣が消えてる。これは一体……あっ」 再び春満は指を項に滑らせ甘く撫でてくるので、夜叉姫はむずむずと妙な気持ちが差してきた。 (吹矢の指ではくすぐったいのしか感じないのに……春満のは何だか、変…………) 次に向かい合わせになり、春満は夜叉姫の身体に石鹸をつけて何度も指を滑らせる。 「もしかして……何か文字を刻んでいるの?」 春満は人差し指を唇に当てると、秘密だよ……と悪戯っぽく笑って、澄んだ眼差しを向ける。 そのまま近くにあった壁に夜叉姫の手を突かせると、掌で両乳房を何度も滑らせた。桜色の乳首が段々と勃ってきて、夜叉姫の躰の奥底からは熱い扇情が引き出される。 「あッ…………ああああッ!」 春満はするりと股間に手を伸ばし、雛先を数度こねくり回した。 「だ……メェェェッッ!」 衝撃、悶絶――夜叉姫は絶叫した。先ほど以上の快楽信号が全身を走っていき、腰がガクリと抜けてしまう。 ※挿絵イラストは桃川コバト様の作品です(掲載許可をいただいています) |
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